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深夜食堂


「色なき風の吹く食堂・・の巻」

うらぶれた新宿の片隅に、その食堂はある。営業時間は夜の12時から朝7時頃迄
で、左の額から頬にかけて傷痕のある、いわくありげなマスターがひとりでやっ
ている。メニューは豚汁定食600円とビール、お酒、焼酎のみ。その酒類もお
代わりは3回までと決まってる。但し、勝手に注文すれば出来るものは作って出
してくれる。その食堂の名前は「深夜食堂」(毎週水深夜24時34分〜、TBS系)。

最初タイトルを見た時はちょっと変わった料理番組かと思ったのですが、出演者
が小林薫さん。私の大好物な役者さんで「ゲストかな?」と勝手に思い込み拝見
したら・・・ドラマでした。それもちょっとした映画のような渋い作りで、始ま
ってすぐにずるずると引きずり込まれ、30分どっぷりとこの食堂に居着いてし
まいました。こんな感じ、久しぶりです。

まず冒頭から・・三日月がうっすらと光る夜の東京の街をバックに、物静かなギ
ターの音色、それに続く中年男のやるせないような歌声。。これ以上無い、って
いうぐらい、ひたすら物悲しくてうら寂しい(笑)。かと思ったら、使い込まれ
た打ち出しの鍋に豚肉や人参や牛蒡が入れられ、炒められ、煮込まれ、味噌が溶
かれていく。もう、この1〜2分で完全に捕まってしまいました。

私は存じ上げておりませんでしたが、原作は今も連載中の同名の漫画だそうです。
当然ながら原作は拝見したことはないのですが、さぞや雰囲気のある漫画だろう
と想像でき、こちらもぜひ見てみたくなりました。そんな気にさせるほど、独特
な空気が漂い、決しておしゃれではないけどココロがしんみりとして、笑いなが
らちょっと泣いてしまうような・・クセになる味わいなのです。
クセといえば、ここに来るお客さんたちもみんなワケありの一癖も二癖もあるよ
うな人達。惚れっぽいストリッパー、初老のゲイバーのママ、ヤクザ、ホスト、
売れない演歌歌手・・新宿の裏っぽい世界で生きてるような人達ばかり。刹那的
で自滅的で、でもそんな生き方をしてきた・してきてしまった自分を人のせいに
はしてないような、潔さも感じさせます。ダメ人間だけど、憎めない人々。。

秋っていうと、スポーツの、食欲の、行楽の等々、いろんな形容詞がつきます。
イメージ的には明るいものも多いのですが、個人的には秋はやっぱり切なくて、
寂しくて、人恋しいみたいな気分の方がぴったり来ます。
聞きかじりですが、中国の五行思想では秋は白とされ、色なき無色透明の季節。
そこから秋の風のことを”色なき風”と言うそうです。うるさいほど生い茂って
いた草木も枯れ、葉を落とし、空も透明感を増し高くなり、そこを色なき風が吹
き抜けてやがて来る冬を予感させる・・。

それはそれは寂しいです(苦笑)。でも、だからこそ着るモノにも食べるモノに
も暖かさが欲しくなり、人の温もりもまた恋しくなる。そんな季節には似合い過
ぎるくらいのドラマ、深夜食堂。秋の夜更けにひっそりと見て楽しみたいと思っ
てますが、飾り気のない料理がまたどれも美味しそう。何だかんだ言いながら、
やっぱり食欲の秋だったりして・・。



●関連情報>>小林薫 ドラマ




posted by ちぃ@テレビ旬報 at 11:29 | ドラマ

不毛地帯


「ちゃんと生えますように・・の巻」

原作:山崎豊子×主演:唐沢寿明、話題の大作ドラマ「不毛地帯」が始まりまし
たね(毎週木夜10時〜、フジテレビ系)。このお二人と言うと、どうしてもあの
「白い巨塔」を思い出してしまい、今度はどんな人間の姿を見せてくださるのか
いやが上にも高まる期待・・楽しみに拝見してみました。
主人公は、元エリート軍人・壹岐正。戦後、ソ連軍に拘束され11年もの間シベ
リアでの過酷な強制労働を耐え抜き、帰国後は商社マンとしてビジネスの世界で
奮闘する姿を描くというもの。

ざっくりとした設定は知っていましたが、シベリア抑留のシーンが何ともいえず
重苦しい。物語上、避けては通れない部分ではありますし、ドラマと分かっては
いるのですが、気分が暗く重くなっていく一方。。物語が進むに連れ、だんだん
明るい兆しも出てきて、ちょっと救われた気分にもなってきましたが、それでも
どこかに残る、この何となく沈んだ感じは何でしょう?

これは多分、壹岐正が善人過ぎるから。いい人過ぎて、その・・人としての面白
味に欠けるのかなぁ・・と。ゴメンナサイ。スタート早々水を差すつもりはない
のですが、あのギラギラした欲望の塊みたいな財前五郎を思うと、どこまでも清
廉潔白な壹岐を見ていて「つまんないヤツ」と、つい思ってしまいました。
アクが強くて傲慢で、そこに「うえっ」と思いながらも、憎みきれない魅力があ
った五郎ちゃん。そんなところに惹かれて、白い巨塔を見続けた方は私だけでは
ないと思います。それはつまり、今の人間の感覚にも大いに通じるところがあっ
たから。お話も設定も当然異なる作品なのですが、私を含めそういうコッテリと
した人間像を期待していた方々にとっては、正直面白味に欠けたのではないかと。

敢えてこんなことを書いたのは、少しイメージがかぶる「官僚たちの夏」が今ひ
とつ支持されなかったから。あの作品もとても丁寧に作られていたと思うのです
が、立派な人達の姿を一方的に見せられているような、何だか教科書を読んでる
ような、そんな気分になりました。。
今、いろんなことが八方塞がりで、元気のないこの国。戦後を舞台にしたドラマ
が作られるのは、あの頃の日本人はこんなに頑張ったんだから、それを思い起こ
してもう一度頑張ろうよ、というエールも含まれているのかもしれません。でも、
今に通じるモノが無いと、醒めた人々の気持にはなかなか響かないのかも。。

でも、それもこれも大きな期待が故の取り越し苦労なのかもしれません。だって
何たって山崎作品ですから、そのうち正しく立派な壹岐に嫉妬する輩なんかも出
てきて、きっとドロドロした人間模様も深く描いてくださるでしょう。また、原
作には、他の小説に出てきた舞台や登場人物がそのまま出てくるんだとか。つま
り浪速大学とか、華麗なる一族の人々なんかも、もしかしたら?登場してくるか
もしれません。どうかドラマは不毛とはなりませんように。ちゃんと芽が出て、
うまく育ちますように。そんな思いで半年間見させていただこうと思っておりま
す。。


不毛地帯(第1巻)



●関連情報>>唐沢寿明




posted by ちぃ@テレビ旬報 at 21:57 | ドラマ

交渉人〜THE NEGOTIATOR〜


「恐ろしい贈り物・・の巻」

”あなたがもし拳銃をプレゼントされたら、誰を殺したいですか?”。こんなと
んでもなく恐ろしい、でも今の世の中だったら起こり得るかもしれない・・と思
わせる事件で幕開けしたのが、新ドラマ「交渉人〜THE NEGOTIATOR〜」(毎週木
夜9時〜、テレビ朝日系)。
10月にしては暑すぎるある日、拳銃を持った男が車に籠城するという事件が発
生。その男は50代半ばにして突然解雇され、雇い主に発砲後、自らにも銃を突
きつけ車に立てこもっていた。交渉人・宇佐木(米倉涼子)の必死の説得により、
男は投降。この籠城事件はとりあえず解決するが、実はその前後から拳銃の事件
が多発。「サマー・クロース」と名乗る差出人から、都内の住民に無作為に拳銃
が送り届けられていたと分かってくる。

あるサラリーマンは日頃から恨みに思っていた上司を社内で射殺し、自らもその
場で自殺。ある幼い少女は自分宛てに届いたプレゼントだと思い開封し、兄と取
り合っているうちに暴発・・。拳銃を送りつけられた住民は年令も立場もバラバ
ラで、さらに一体どれだけの銃がばらまかれたのかも不明。警察は緊張感に包ま
れ、マスコミや都民も騒然となる・・。

ふぅ。。ドラマの中で起こる難解で奇怪な事件にはもうそんなに驚かないと思っ
てましたが、これにはかなりドキリとさせられました。だって「本当に現実でも
あり得るかもしれない」と、ふと思わされるリアリティがありましたから。
その後、これは拳銃密輸グループから強奪されたものと分かり、その数も全部で
27丁だと判明しますが、これまで回収されたのは14丁。残り13丁はまだ犯人の手
元にあるのか、それとも送り届けられた人が隠し持っているのか・・。捜査本部
の一人が沈痛な面持ちで言った「(拳銃を手に入れたことで)今まで押し殺してい
た感情に、目覚めてしまう人間もいる」という言葉が、ズシリと響きます・・。

自分だったらどうするだろう?と考えてみましたが、幸いなことに”使いたい相
手”はいませんでした(現時点では。苦笑)。でも、マジメな話、拳銃さえ手にし
なければ、多分生まれなかっただろう殺意とか自殺願望に囚われてしまう人って
少なくないかもしれませんね。特に今のような殺伐とした状態だと。
誰でもたまに「もうっ、殺してやりたい」と、悔し紛れや冗談交じりに口にした
りすることはあるけど、本気で思ってるわけじゃない。ただ、中にはそういう感
情を秘かに抱いている人もいるし、たまたま悪い偶然が重なってそんな気持にな
ってしまう人もいないとは限らない。。これは当然フィクションなんですが、つ
い現実と照らし合わせて考えさせられてしまう、怖く、でも興味深いドラマです。

それに、銃犯罪で亡くなる人が年間1万人を超えるアメリカのことも思いました。
誕生日プレゼントに父親が息子に銃を贈ることもあるあの国・・日本が銃社会で
なくてホントに良かったと、改めて感じもしました。・・ただ、ひとつだけ残念
だったのが、連続殺人犯で死刑囚の真里谷という男の存在。ここでもまたハンニ
バルのレクター博士みたいな扱い方で、そのシーンだけは「あーぁ」と。もう、
せっかくのリアリティが勿体ないっ。


交渉人〜THE NEGOTIATOR〜DVD−BOX / 米倉涼子



●関連情報>>拳銃




posted by ちぃ@テレビ旬報 at 13:17 | ドラマ