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「ディロン・運命の犬」(第1回)

NHK/土曜:夜9時 <2005年 5月20日ー7月1日>

テレビ番組 NHK
テレビドラマレビュー:「ディロン・運命の犬」

(出演/樋口可南子、大杉蓮、平田満、関口知宏、池内淳子、麻生美代子他)

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第1回
5月20日(土)オンエア分:★★★★

迷いに迷って、結局見ちゃいました。。

犬、ことにレトリバー系の子たちってどうしてこんなに健気なんでしょ・・。
見るからに人の良さそうな誠実な眼差し、時折見せる困ったような表情、大きな体に大きな顔・・もうただその姿を見るだけでイチコロのあたくし。・・なので、採点はかなり甘口かも、おホホ・・これぞ役得。

でもね、地味だけど、ドラマとしても結構良い感じでした。CMが入らないから1時間と言ってもかなりじっくり見られるし、何かと画面も音も騒々しい民放と比べると静かでゆったりしてる。まぁ、その分お行儀がいいと言うか、NHK的オブラートには包まれておりますが(苦笑)。


13歳のディロン、もう目も見えないし足下もおぼつかない・・。お話はそこから8年前、平成10年に遡る。

主婦の麻利(樋口可南子)は、ある日屋外のカフェテラスで大きな犬と出会う。
フサフサとした毛に覆われたゴールデンレトリバー風の大きなその犬は、麻利の足下に寄り添うように座るが、何かの気配を察してすぐ行ってしまう。
すぐに外国人の男性が犬を捜しに来た。英語が分からない麻利に代わって夫の耕平(大杉蓮)が話を聞くと、その犬はディロンといい散歩中にリードが外れてしまったらしい。

ある日、麻利はフレンズというペットショップでディロンと再会する。屋外に置かれた小さなゲージで窮屈そうに体を縮めるディロン・・。気になる麻利が後日再訪すると、もうディロンの姿はなかった。店員は『持ち主がいなくなり、この間も脱走してお婆さんを襲ったから仕方がない』と言う。
その足で保健所に行った麻利は、薄暗い檻でうずくまるディロンを見つけそのまま引き取ってしまう。。

ここで、登場人物たちを先に整理しておきましょ。。
麻利は結婚15年目の主婦で子供はなく、最近買ったばかりの家に引っ越してきてまだ間がない。3年前まで出版社に勤めていたが、そこで何か不条理な出来事に遭い、そのストレスで体調を崩し退社した様子。夫・耕平とは仲が良さそうだが、近所に独りで住む姑・美佐江(池内淳子)との関わりには消極的。一戸建てを買ったのに夫も姑も同居を言い出さないことが気にかかっているが、かと言って自分からはその件は持ち出さない・・微妙な状態。

その日帰りが遅かった耕平は、翌朝庭にディロンがいるのを見て驚く。

「犬だ・・。犬がいる・・」

「はい・・。説明するっ、帰ったら説明するから」

そう言って慌ただしく耕平を送り出した麻利は、フレンズへ。ディロンの飼い主はケビンというオーストラリア人でブリーダーだったが、犬を預けたまま帰国。
オーストラリア・ゴールデンであるディロンはホントなら『種犬』として価値があるが、病気を持っているらしいと言われる。

そういえば確かに元気なく、ご飯も食べないディロン。気づくと血尿も出していて、麻利は大慌てで動物病院へ連れて行こうとするが、するとディロンは元気いっぱいで嬉しそうに走り出す。
獣医の森山(関口知宏)は、血尿は恐らく過度のストレスから来る膀胱炎だろうと話す。

「そういえばペットショップで、酷い扱い受けてました。保健所には簡単に引き取らせるし・・もうどういう神経してるのかしら。動物を扱う商売なのにっ」

「困ったもんだ・・」

「ホントにっ」

「あなたがね・・」

「・・え?」

「にわか動物好きの人ってのは、とかく相手の立場に立ってモノを考えなくなる。ペットショップもボランティアじゃない、商売なんだから」

「え・・まぁ、それはそうですけど・・」

「最近町で野良犬見かけなくなったでしょ?」

「あ、はい・・」

「運が良いよねぇ、この子は。保健所に行ったんでしょ?この子、引き取りに」

「はい」

「いつ?」

「昨日です」

「この子以外、目に入りませんでした?同じところに居たでしょ?他にも沢山ワンちゃんたちが。・・あの子たちは野良犬じゃなかった。人間の家庭で一緒に暮らしていた子たちだ。昨日って言ったら、そうだなぁ・・あと数日もすればもうこの世にはいません」

そう言われて初めてあの暗い檻で、悲しげに泣いていた他の犬たちを思い出す麻利。弱々しくシッポを振り、檻に手をかけて見ていたのに・・。
ディロンを診た森山獣医は、この子は生まれてからあんまり外を出歩かせて貰ってないだろうと告げ、シャンプーや散歩の際はリードをしっかり持てとアドバイス。帰宅後、麻利は早速ディロンをシャンプー(楽しそうで、めちゃめちゃ羨ましい・・)。






その夜、帰宅した耕平は庭にディロンが居ないことにホッとし、ソファでほーっとため息。うーんと手を伸ばすが、ソファのピンクの毛布に触れてギョッとする。
恐る恐るその毛布をめくると、ぐっすり眠り込んだディロンが・・。
そこに耕平の帰宅に気づいた麻利がやってくる。目で『何?どーするの?』と問いかけてくる耕平に『病院で診て貰ったら膀胱炎だった。ずっと家の中で暮らしてたらしい』と、勝手に話す麻利。
「それで?」「うん・・」「飼うの?」「ってゆーか・・」「何っ?」「駄目?」

事前に耕平が犬が苦手と聞いてたから、もっとその辺で凄く揉めるかと予想してたんだけど拍子抜けするほど良いダンナで(笑)、ここは麻利にうまくかわされちゃう。
そして、就寝間際、仕事で優秀だった妻のために『楓出版』という再就職口を見つけ勧めてくれる。

「どうする?その気がないなら断るけど」

「そうねぇ・・この家のローンもあるしね」
「いや、そういうつもりで言ってるんじゃないんだぞ」

「分かってる(笑)」

「なぁ?麻利・・まだ不安か?前とは違う職場だし、あの時みたいに理不尽な人間関係に翻弄されることもないだろうし。大体前のところがおかし過ぎたんだよ。君は頑張ってた」

「・・そう言えばあの頃、私血尿まで出してね・・」

「うん、怖いなぁストレスって」
と、話していると寝室のドアの向こうからカリカリと引っ掻くような音・・ディロンだった。リビングに連れて行った麻利は、よしよしとしてるうちにどーやらそこで眠ってしまったらしい。

翌朝早く目覚めた耕平が、麻利がいないことに気づき階下に降りてみると「散歩に行く」というメモ。やれやれという顔をしながらも、怒ったりはしない良いダンナ・・。

その頃散歩に出ていた麻利はサッカーの朝練帰りらしい小学生の男の子たちと出会うが、その中の一人の子がディロンという名を聞き「この犬だっ!うちのお祖母ちゃんをケガさせたのはこの犬だっ」と叫ぶ。

その夜、麻利は耕平に「どうしてもディロンが人を襲うような子には思えない」と話し、どうも日本語が分からないようだから英語で話しかけてみてと頼む。
耕平がしどろもどろで「Come here!」と言うと、すぐに立ち上がりズンズンと迫ってくるディロン。「Stay here!」と言えばその場で座るディロン。
まぁ、良くできたと拍手した麻利は、『前の飼い主がブリーダーだったからちゃんとしつけされてる』『日本語が分からなくて心細かったんだよね?』と懸命にアピール。困り顔の耕平をよそに、その日も麻利はディロンと一緒に眠ってしまう。

そんなある日、突然姑の美佐江がケーキを片手にやってきた。ケーキを食べながらぎごちなく話す嫁と姑。麻利は、美佐江がディロンのことも楓出版への就職話も知っていたことに少し吃驚。

その夜、麻利たちは待ち合わせて外で食事。麻利は美佐江がやってきたことを話す。怒ってるのではないけど、耕平が美佐江にいろいろ話してることもあり、訪問の目的をあれこれ気にする麻利。すると、その場で耕平は美佐江に電話して麻利は大慌て。

「もぉっ、そんな電話したらお母さんが気を悪くするじゃないっ」

「そう頻繁に顔出されたら、君だって落ち着かないだろ?」

「・・・」

突然行ったりしてお袋も気にしてたよ、と言った耕平は話を変えるように『再就職の話もあるし、そしたら二人とも家を空ける。やっぱり犬は無理じゃないかなぁ』と話し出した。

「それは大丈夫だと思う。ちゃんとしつけされてるし。・・やっぱり犬、嫌い?どうしても駄目って言うなら・・」

「いや、嫌いってワケじゃないんだけどさぁ。何かこう、苦手っていうのかなあ」

「ごめんね・・」

「いや、あの・・」

そーんな微妙な会話を交わした後、二人が帰宅してみるとリビングの中はメチャクチャ・・ディロンの仕業だ。

「ディロンっ!もぉっ、こんなことしちゃ駄目でしょっ!もぉ、やだぁっ!」と叫ぶ麻利、「掃除機持ってくるよ」とあくまで穏やかな耕平・・(苦笑)。
森山獣医に電話した麻利は、それはあなたがいなくてディロンが淋しかったからだと言われる。きつく叱ってしまったと話すと、『何か悪さをした時はその瞬間に怒ってあげないと、何故叱られているのか分からない』とアドバイスされる。

小さな頃から、大きな犬を飼うのが夢だった麻利。でも犬の習性等はほとんど分かっていないらしい・・これは、なかなか困った事である。
何時だったか、「動物のお医者さん」というマンガの影響でシベリアンハスキーが流行し、その後「馬鹿犬」だの「扱えない」だのと言って捨てたり処分しようとする馬鹿飼い主が急増したことがあったっけ。






元々オオカミの血を引くこの犬は、日本人がイメージする「良い犬」とはかなり違うけど、決して馬鹿じゃない。暑さも湿度も苦手なのにいきなり慣れない国に連れてこられ、無理な繁殖をさせられ、挙げ句馬鹿犬扱いされちゃって・・。
犬に限らず有名になっちゃった動物は、その後みんな大変な目に遭う。こんな時日本ってホントに浮ついた国だなぁと思う・・自分も含めてだけど。。

いかん、ちょっとマジになっちゃいました。。

ただ好きなだけで、犬を知らないままディロンを迎え入れた麻利はだんだんその実情を知ることになります・・。

ディロンと散歩に出た麻利はその途中で、よく吠える白い犬と遭遇。その犬は勝手に興奮して勝手に転び、足を少し痛めてしまう。「どうしてくれるのよっ」と怒る白犬の飼い主・・麻利は森山獣医のところへ連れて行く。

『あんな大きな犬飼ってるんだったら、常にそれなりに注意してないとっ。うちの子が殺されるところだったじゃないっ』と一方的に責める白犬の飼い主。

森山獣医は「はいっ、もう大丈夫。大したケガじゃないんだから、ね?奥さん、はいっ連れて帰って」と言い、治療代もいいからと白犬一味を追い返す。
「やれやれ・・」

「あの、前にもお婆さんを襲ったことがあるらしいんです、ディロン・・」

「そんなことする子じゃないはずだよ、ディロンは。今日のことだって向こうから飛びかかってきたんでしょ?本当は」

「・・はい」

「ワンちゃん同士の揉め事っていうのはね、大体大きい方が責められるものなんですよ。大きいワンちゃんは大きいってことだけで誤解されやすい」

「はぁ・・」

「手に負えませんか?正直なとこ」

「あ、はぁ・・」

「良かったらディロンの引き取り手、こちらで探してあげますよ。家の中でも外でもね、あれだけの大型犬となると経験の浅い人にはとても難しいというのが実情です。冷たいようだけどお互いのためでもあるし、あの子には何も決められない・・あなたが決めなくちゃいけないんですよ」

「。。。。」

その夜、麻利は『大きい犬は誤解されやすい』という言葉を思い返し、翌朝決心したように以前「お祖母ちゃんがディロンの襲われた」と話した男の子と出会った場所へ・・。そして麻利は、男の子の家まで確かめに行く。

その子の母親が言うには・・道を歩いてたらいきなり飛びかかられて、腰を打って歩けなくなって大変だったらしい。ケガはまぁ大したことはないから、こちらとしては事を荒立てるつもりはないと言う。その時はまだディロンは手元にいたわけではないのに「どうも済みませんでした」と謝った麻利は、直接会わせてもらえないかと頼む。

すると、そのお祖母ちゃんはこの家に同居してるのではなく老人ホームにいる。そう聞いた麻利は、今度はトキ(麻生美代子)というお婆さんに会いに老人ホームへ。。

名前を名乗り『先日トキさんを襲った犬のことでお詫びとお見舞いをさせて頂きたい』と訪問の目的を告げると、トキさんは「あぁ、良かった。良かった」と言う。意外な反応に「え?」と戸惑う麻利。

トキさんは「ずっとあのワンちゃんに謝らなけりゃいけないと思っててねぇ」と、その時のことを話し始めた。
久しぶりの一時帰宅で近所を散歩してたら、そのうち道が分からなくなってしまい、ある神社の境内で疲れて座り込んでいた。途方に暮れていると、いつの間にかディロンが隣に座り心配そうに見ていた。そこに巡回中のお巡りさんが来て、大きな犬がいるのに驚いて走ってきた。ホントは襲われてなんていないのに、嫁に叱られるんじゃないか、また道が分からなくなったと馬鹿にされるんじゃないかと思って、つい襲われて動けなくなったと嘘をついてしまった・・。

「ごめんなさい。嫁に意地張りたいばっかりにあの可愛いワンちゃんを悪者にしちゃって・・。謝りたかったの、私。謝りたかったのよ」

「そうだったんですか・・」

関係ないけど、トキさんはフネさんでしたっ(喜)。どこかで聞いた覚えのあるやさしい声だなぁと思ってたら、エンドロールで『麻生美代子』さんの名前発見。ちょっと嬉しかったです。

で、やっぱりディロンは人を襲うような子じゃなかったと分かってすぐ、森山獣医から引き取り手が見つかったという連絡が入る。
「何かねぇ、オーストラリア・ゴールデンってのは人気があるらしくて、ベテランのブリーダーが是非引き取りたいって」
考え込む麻利にそばにいた耕平も、君が働きだしたら犬はねぇ・・と話しかける。

「俺、君は専業主婦のままでは勿体ないと思う。せっかくまた現場に戻れるのなら良い機会じゃないかと思う」と。。

そんな夫の言葉もあり、とりあえず面接だけでも受けてみようと思った麻利だったが、出かける間際にまた強い頭痛と吐き気に襲われる。
『仕事を辞めて3年、もう大丈夫』と思っていたが、体はまだ言うことを聞いてくれない・・。トイレから出てきて口をゆすぎながら泣き出す麻利に、ディロンがそっと寄り添っていた。

「ディロン、駄目かなぁ私、やっぱり駄目だよ」と、ディロンを抱きしめ子供のように泣きじゃくる麻利。

帰宅した耕平がベッドで横になっていた麻利に話しかける。その枕元には、ディロンが寄り添っていた・・。

「大丈夫か?」

「ごめんねぇ・・」

「ま、いいって。まぁさっ、気長に行こう。おいディロン、もういいぞ。下に行って寝れば?」

「こうちゃん」

「ん?」

「さっき獣医さんのとこに電話したの。ディロンはこれからもずーっとここに居ますって」

「麻利・・?」

「ねぇ、ディロン」

こうして正式に麻利たちの家族になったディロン。麻利はディロンを連れて老人ホームのトキさんを訪ねることに。
ほとんどペーパードライバーの麻利を気遣い、自分が運転していこうか?と言う耕平に大丈夫だと元気よく答える麻利。大きなディロンを後部座席に乗せ何とか到着すると、もうみんなが首を長くして待っていた。
トキさんは勿論、他のお年寄りにも大人気のディロンはみんなに頭を撫でられ忙しそう。それを離れたところから見ていた車椅子の男性に気づき、ディロンは近寄っていくが、その人はドアを閉めて離れていってしまう。。

帰り際、「今度はいつ来られるの?また来てね、おいでね」と別れを惜しむ老人たちとディロンを、あの車椅子の老人が遠くから見ていた。
車が走り出してもじっとその人を見つめるディロン・・麻利もその人のことが気にかかる。。〜次回へ。。

・・とまぁ、こんな初回でした。

前の職場で何があったのかは分からないけど、相当傷ついているらしい麻利にいつも寄り添うディロン、やさしく見守る耕平・・かなり羨ましいです(笑)。
それに何といっても、ディロンの可愛いこと。見てるだけで頬がゆるみっぱなしで、時々画面に話しかけてたりして他の人から見たらかなり危なそうです。ふふ。

保健所の光景は自分の経験とダブり息苦しくなりましたが・・でも、実際はもっと壮絶。。その自治体や施設にもよるけど、短い所は3日で処分され、その方法も欧米などと違い、苦しみ藻掻きながら逝きます。
中には、檻そのものが順次移動していき、何日目かになるとその檻ごとがガス室になるような大工場並みのシステムになっているところもあります。つまり、それほどの数をこなさなければならないということ。

どの子も人を見ると『どうして自分がここにいるの?』『早くお迎えに来て』と懸命に鳴き、しっぽを振り、檻に手をかけて訴えてくる。でも2〜3日経つと、どこかで自分の運命を悟るのか、瞳が輝きを失い、まるで黒い穴のようになっていきます。

うーん・・・・そんなことを考え始めると、もうそのことで頭も胸もいっぱいになって冷静ではいられなくなってしまう。
取り乱してうまく言葉になりませんが、このドラマが1匹でも多くの犬や猫たちを救い、今の状況を変えていくきっかけになればいいなと思います。。

(^^)/
原作「ディロン〜運命の犬」(井上こみち著)は幻冬舎
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「ディロン・運命の犬」(第2回)

テレビ番組 NHK
テレビドラマレビュー:「ディロン・運命の犬」
(出演/樋口可南子、大杉蓮、平田満、関口知宏、池内淳子、麻生美代子他)

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第2回
6月3日(土)オンエア分:★★★★と四分の一

感情移入というよりはほとんど『同化』状態。
人のドラマではホントに泣かない&泣けないのに、動物だとダメダメなあたくしです。。
とにかくディロンが可愛すぎ。ディロンの顔を見てるだけで骨抜きにされてますが・・今回は描かれてる内容も、かなり踏み込んできていたみたい(NHKにしてはね)。

獣医の森山(関口知宏)からの里親話を断り、ディロンを家族にすると決めた麻利(樋口可南子)。
そんなある日、麻利はディロンの爪を切り過ぎて出血させてしまうが、ディロンは吠えも暴れもしない。

手当してもらいに訪れた森山の病院で「痛くないのかしら?」という麻利に、

『神経が全部集中してるんだから、痛いに決まってるでしょ』と呆れ顔の森山だったが、ふと

「この子は人に何をされても我慢する、抵抗することは許されない・・そういう風に育てられたかもしれない」と話し出す。

「どういうことですか?」

「反抗したり嫌がったりしたらもっと酷い目に遭う・・そういうことがこの子の心に染みついているのかもしれない・・」

「・・・虐待?この子が虐待されてたってこと?」

「うん・・分からないけど。。」

そのことを夫の耕平(大杉蓮)に話すと「でもこんな図体で人間に反抗的だと困るだろ?」という反応。うーん・・と考え込んでしまう麻利。。

翌日の散歩中、野球少年達とすれ違った時バットを見て後ずさりするディロンを見た麻利は、一人で以前ディロンが預けられていたペットショップへ。
すると元の飼い主であるケビンがオーストラリアから帰国し、ディロンを探していると聞かされる。店員から『勝手に預けていって連絡も寄こさず、そう言われても困ると追い返した。麻利の事は話してない』と言われ、ホッとする麻利だったが、まだケビンはディロンを諦めていないらしい。

その帰り道、残業で遅くなると言っていた耕平を駅で見かけた麻利は、夫が姑の美佐江(池内淳子)のところへ行ったと気づく。
夜遅く帰宅した耕平から美佐江が風邪と聞き、「どうして言ってくれないのよ?」と慌てる麻利。「君に負担をかけたくないから」「ただ波風立てたくないだけでしょ?」と言い合い、麻利は急ぎ美佐江の家へ。

台所を見ると二人分の洗い物・・ここで耕平はもう晩ご飯を済ませたのに、気を遣って家でも食べたのだと分かる。そして、美佐江は麻利が再就職をやめたことも知っていて、「心の病は気長に治すしかないと耕平も言ってるし・・子供がいなくてむしろ良かったわね」と言う。
慰めてるつもりなのだろうけど・・そのまま素直には受け取れない。

気疲れでヘトヘトになって帰った麻利を、ディロンが玄関まで迎えに来る。そのままずっと寄り添うディロンの大きな顔を抱きかかえながら「いろいろあるんだよ・・人の暮らしには」と話しかける麻利。。

関口に誘われて小学校での犬の愛護教室に出かけた麻利は、子供達の中に全く犬に関心を示さない子達がいるのを知る。関口が言うには、彼らは犬が好きとか嫌いとかではなく、自分以外の生き物に興味が持てないらしい。






ディロンに近づいてくる子供達も「犬がいると家が汚くなるんでしょ?」「オシッコとかウンチとかその辺でしちゃうんでしょ?」と、ネガティブな発言。麻利が苦笑しながら答えていると、ある男の子がいきなりディロンを叩いた。そして吠えもしないディロンをさらに叩こうとする。

「何するのっ?やめなさいっ、えっ?何でぶつの?」

「こういうところに来る犬は、何しても怒らないんだろ?」

「。。ねっ、怒らなければ何してもいいの?この子が君に何かした?何でぶったりするの?」

「うるせーっ」
そう言って逃げて行こうとする男の子を捕まえ、二度とこんなことしないって約束してと言い聞かせていると、今度は別のクソガキが棒でディロンを叩こうとしていた。怯えて逃げるディロンを見て「怖いの?」と言うバカな子供達。。

ここでもうかなりキレかかったのだけど・・我慢しよっと(苦笑)。

最初にディロンを叩いたのは、弘士という男の子。その子の母親は出来の良い弟のお受験に夢中で、弘士はいつも一人でご飯を食べお風呂に入るような毎日。でも、実は弘士は母親に内緒で子犬を2匹拾い、こっそり物置で飼っていた。。

数日後、麻利に美佐江からこの間のお礼にスカーフが届く。お礼の電話か手紙を出すべきよねぇ・・と気にする麻利に「昔から人に借りを作るのが大嫌いな人だから。別にそんな他人行儀にしなくてもいい」と笑う耕平。「こんな風にお礼を送ってくる方が他人行儀じゃないの?」と突っ込む麻利。

人と人はこういう気を遣ったり遣われたりして、かえって拗れていくことも多い。
言葉の通じない犬の方が気がラク・・と漏らす麻利に、耕平はディロンに向かって「お前は亭主の自分もフォローしきれないところをカバーしてくれてるんだなあ」と話しかける。

そんなある日、トキ(麻生美代子)のいる老人ホームに出かけようとしていた麻利とディロンの前に、弘士が現れた。「ごめんなさい、この前・・」とだけ言って帰ろうとする弘士を、麻利は一緒に行く?と誘う。

老人たちに囲まれて、大人気のディロン。ディロンに触れたくて、車椅子から立ち上がろうとするお婆さんもいて、ディロンは自分からそんな人に寄り添って行く。それを眺めながら「ね?ディロンは言葉は分からなくても人の気持ちはちゃーんと分かるんだよ」と麻利が弘士に話していると、誰かが「バカを言うなっ」と怒鳴った。

その人は、以前ひとりポツンと離れたところから見ていた、善二というおじいさんだった。
「犬は分かってる。人の言葉も気持も、犬には分かるんだよっ」そう言ってすぐ離れていった善二は、突然苦しみ出し救急車で病院へ。。

弘士を送っていった麻利は「お願いがある」と言われ、2匹の子犬を見せられる。
前に近くに住んでいた人が、増えすぎたからと置いていったらしい。

「見つかると連れてかれる・・殺されちゃうんでしょ?」

「・・弘士くんのお家じゃ飼えないの?」

「ここはペット禁止だし、うちは親が動物嫌いだし・・それに弟のことで今は大変だから・・」

「大変って?」

「弟は頭良くって、小学校受験するから。頭良いから名門狙えるし。だけどボクは頭悪いから・・結構自由。ホントはボク、あんまり家に居ない方がいいんだ。弟の勉強の邪魔になるからってぶたれるし、でもボクが良い子じゃないから止めてって言えないし、ディロンみたいに我慢できないし・・」

一方、心臓発作で病院に運ばれた善二さんは容態が落ち着き、息子夫婦が見舞いに来ていた。

「悪いなぁ、今度こそ逝けると思ったのに」

「何言ってるんだよ。・・でも完全介護って言っても、こういうことになると結局は病院送りだもんなぁ。多少高くついてもいいから、そこだけで全部任せられるようなとこないのかなぁ」

「そうよねぇ」と相づちを打つ妻。「そう・・だな・・」と淋しげな善二さんだったが、思い切ったように「頼みがあるんだ」と言う。

「退院したら、ちょっとだけ家に寄らせてくれないか?」

「えっ?」と声を揃える息子夫婦。

「分かってるよ、わしの居場所が無いことぐらい。少しでいいんだ。安心しろ、うちで死にたいなんて言いやしないから、なっ」

その頃麻利は、あの2匹の子犬を家に連れ帰った。またギョッとする耕平に「今晩だけだから、お願いっ」と言う麻利。すると耕平が思い出したように、麻利の留守中にケビンが来たと話し、驚く麻利・・。

「自分がディロンの飼い主だって、そう言ってたよ」

「それでっ?あなた何て答えたのっ?」

「あ、いや・・だから君も居なかったし、とりあえず今日はお引き取り願ったけど・・また来るって」

「ディロンは・・その人に虐待されてたのよっ。返せるワケないじゃないっ」
でも先方は譲ったつもりは無いと言ってるし、事情はどうあれ所有権は向こうにあると言う耕平。。






ディロンを抱きかかえながら不安で仕方ない麻利は、その日もリビングで一緒に寝てしまう。そんな妻を複雑な顔で見守る耕平。
翌日、麻利は関口に付き添われ『子犬の譲渡会』に出すため、弘士と共に2匹の子犬を動物保護センターに連れて行く。そこで職員の朝倉(平田満)が『犬を引き取ってくれ』という女と押し問答しているところに出くわす。

「譲渡会は、子犬に限って行っておりますので」

「じゃあロンちゃんはどうなっちゃうの?引っ越し先じゃ、ロンちゃん飼えないのよぉ〜」

「・・然るべく、処理をします」

「えっ?殺しちゃうのっ?可哀想っ」

「そういうこと、ご存じでいらしたんじゃないんですか?」

「そりゃまぁ・・そうだけどぉ。。お願いっこの子は誰か良い人に差し上げてっ。すごく慣れてるのよぉ」

「そういうお約束は出来かねます。ここの方針に添えないんでしたら、お預かりできませんからお引き取りください」

「そりゃ困るわぁ」
そう言って、女がロンちゃんを朝倉の胸に押しつけるようにした時、ロンちゃんは逃げ出してしまう。

慣れてるなら呼んでくださいと朝倉に促され、「ロンちゃぁーん」と呼ぶ女。
名前を呼ばれ立ち止まったロンちゃん・・、弘士が「逃げちゃえ・・」と小さく呟く。。でもロンちゃんは戻ってきてしまった。。。

・・・・・。
いろいろな意味で、今の動物たちの状況を物語る象徴的なシーンでした。
無責任な飼い主。いつだって、犬を死なせたくないと思う子供。その後の運命を知っているのかどうかは分からないけれど、名前を呼ばれたら駆け寄ってくる犬。
いろいろな矛盾を感じつつ、職務に従事する動物保護センターの職員。
それを見て、無力感を感じる獣医やボランティアたち・・。

このロンちゃんの飼い主もまるっきり平気ではないだろうけど、自分の目の前でなければ、誰か他の人が処分してくれるなら「仕方ない」で済ませられるし、幾日か経てば忘れられる程度の『痛み』でしかないんだろうな。

それに、自分でセンターに連れてくるだけ、まだマシかもしれない・・。「きっと誰か良い人に拾われる」なんて都合の良いことを思い、ポイと捨てたり置き去りにしてしまう人の方が多いから。捨てられた飼い犬や飼い猫の末路がどんな残酷かなんて、想像もしないんだから。

・・いけない、キリがないですね。先に進みましょ。。

複雑な思いで子犬2匹を預けてきた麻利は、ディロンが来てからのこの一ヶ月のことを感慨深く思い返す。そんなところに、再びケビンがやってきた。
どうする?と尋ねる耕平に、意を決して会うと答えた麻利は通訳を頼む。

「あなたはディロンを虐待してたんじゃないんですか?」

「おいっ、いきなりかよ?」

「いいから訳してっ」
気まずそうに曖昧に笑いを浮かべながら、耕平は麻利の質問を訳し始めた。

するとケビンは「気づきましたか?」と笑いながら答えた。その態度に怒り始める麻利だったが、虐待していたのは自分ではなく以前ディロンがいたドッグショーの学校でだと言う。それを知り、ディロンの心の傷を癒してやりたくて引き取った、大切な犬だから返してくれと言うケビン。
その言葉に偽りは無さそうで、耕平は返すべきだと説得するが麻利は「お願いっ離れたくないの」と言ってきかない。

麻利がケビンに会わせまいとして、庭に出されていたディロン。隠すように引かれていたカーテンをケビンが開けると、ディロンは一人で楽しそうにボール遊びをしていた。

ケビンは「犬は居心地の良い安心できる場所でなければ、あんな風に遊ばない」と呟き、ディロンはあなたのために在るのかもしれないと・・。

こうして今度こそ、ディロンは正真正銘っ正式に麻利たちの家族になった。。
その後、あの2匹の子犬のうち残ってしまった1匹を麻利はまた連れ帰ってきた。
「引き取り手がみつかるまで」という約束だが、不安な耕平(笑)。。

トキさんのいる老人ホームから連絡を受けた麻利は、退院した善二さんの家へディロンと一緒に訪ねて欲しいと頼まれた。
布団に横たわったままの善二さんは、ディロンを撫でながら涙ぐむ。そして、自分が戦時中、軍用犬の訓練をしていたと打ち明けてきた。

食料の運搬をさせたり、隊同士の連絡に使われていたという軍用犬。ところが終戦になり、軍はすべての犬を置き去りにするよう命じた。「一生懸命お国のために働いてくれた犬たちを・・」と、泣きながら古い写真を見せて、犬たちがいかに賢かったかを話す善二さん。いつも自分のそばからぴったりと離れなかった犬たちは、善二さんが「一緒に帰れない」と話した日から1匹も寄りつかなくなったと言う。でも、別れの日、見送るように丘の上から鳴き続けていた・・と。

だから犬は、人の言葉も気持も分かる。人が好きで、信じ切っている。老人ホームでディロンの目を見た時、その過去の辛さから避けていたが本当は誰よりもディロンに触れたかったのかもしれない。

善二さんは小さなマッチ箱を取りだした。中には別れた犬達から刈り取った毛が入っていた。
それを撫でてやって欲しいと言われた麻利は、「・・わたしが?」と戸惑うが、そっと手の平で包み込んだ・・。
そして、別の老人ホームに移ることになったという善二さんを、麻利は感慨深げに見送った。。

弘士は、すっかり麻利の友達になり、一人でディロンを散歩に連れていくまでになっていた。だが、ある日、いつものように散歩に出かけた弘士とディロンが戻ってこない・・。〜次回へ。。

伝えたいことは山ほどあるけど、有りすぎて恐ろしいし(笑)、ここまで付き合ってくださった方なら、多分それ以上のモノを読み取っていただけたと思います。
その『山のようなこと』はもうちょっと頭を冷やして、いずれ何かの機会に・・。

ただ、もし新たに犬や猫を家族に迎えるなら、飼えなくなった時のことも想像してみてください。結婚・離婚、出産、病気、引越・・人の生活の変化は、動物たちの生活を人間以上に変えるし、その殆どがあまり良い変化を生みません。

それでも万一、どうしても一緒に暮らせなくなったら、新しい里親を探して欲しい。今はネットでもそういう活動が盛んだし、友人・知人・ご近所に相談したり、チラシを撒いたり張り紙をしたり・・頑張ればどこかで道は拓けてきます。
簡単に結論を出すのだけは、やめてください。

いかん・・説教臭くなってきちゃったので、この辺で・・。
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「ディロン・運命の犬」(第3回)

テレビ番組 NHK
テレビドラマレビュー:「ディロン・運命の犬」
(出演/樋口可南子、大杉蓮、平田満、関口知宏、池内淳子、麻生美代子他)

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第3回
6月17日(土)オンエア分:★★★★と四分の一

今回は冷静にと思っておりましたのに、見てるといつしか怒りがフツフツと・・。
折角張り直したアタマの線が、プチッ、プツッ、ぶちぃっ!と切れていくのが分かるの。

頭冷やして客観的に見ると、ドラマとしてそんな凄くハイレベルってワケでもないのだけど・・でもねぇ、ここで描かれている動物たちの状況は(かなりソフトに薄めてあるけど)どれもまさに真実。普段はこのあたくしも、辛い現実からはとっとと逃避するタイプなんだけど、これは一人でも多くの人が見てくれるといいなぁと、珍しくクソマジメに思っております。

それに、時々NHKにしてはドキッとするような台詞もあって、小学生の弘士が老人ホームで『ここは家で要らなくなった人が来るとこでしょ?だったらボクも
入れて欲しい』って言いに行くのには、もうタジタジ・・(苦笑)。その場にいる誰もが『違うっ』と否定できないところが、何とも物悲しいような息苦しいような・・。子供だけど、いや子供だからなかなか侮れないのでありました。。






では、さくさくっとおさらい。さくさくっとね・・行くかなぁ(不安)。

ディロンを連れたまま、家出してしまったらしい弘士。麻利(樋口可南子)は弘士の家を訪ねて行くが、母親は「犬がご心配なのは分かりますけど、あの子はしっかりしてるからそのうち帰ってくる」と、あまり気にも留めない様子。
その頃、弘士はディロンに引っ張られるように麻利の家まで帰って来たが、夕食代として渡されていた千円札を握りしめ一人でタクシーに乗る。

ほどなく帰宅した麻利は、電話で弘士の母親から「本人から連絡が入りましたので」と言われるが、詳しいことを尋ねる間もなく切られてしまう。『大丈夫ならもういいじゃない、もうあまり関わらない方がいい』と言う夫・耕平(大杉蓮)。
でも、弘士のことが心配な麻利。。

翌日、麻利がトキさん(麻生美代子)のいる老人ホームを訪問すると、弘士がいた。ホームの人によると昨夜一人でやってきて「ここ、子供は入れてもらえないんですか?」と思い詰めた表情で言われてしまい、とりあえず家に連絡させ、ひと晩だけ泊めたということだった。
心配したのよと言う麻利に「ディロンはおうちに帰りたがったけど、僕は家に帰りたくなかった・・」と答える弘士。

やがて連絡を受けた母親が迎えに来てすぐ連れ帰ろうとするが、弘士は「ここに住む」と言って動かない。で、問題の発言・・「だってここは家で要らなくなった人が来るとこでしょ?」。一同シーンとなり、気まずい空気が流れる中、母親が声を荒げた。
「いい加減にしなさいよぉっ!何でいつもこんなに困らせるのっ?毎日毎日どんな思いであんたたちを育ててると思ってんのよっ!冗談じゃないわよっ!何で私がこんな所で、こんな恥かかせられなきゃいけないのよっ!」

父親は仕事仕事と言って家にあまり帰って来ず、子供のことは全部私に押しつけてる。なのにどうしていつも自分ばっかり責められるの?と、泣き崩れる母親。
トキさんが差し出がましいようだけど・・と『しっかりしてる子だと、親はホントに手をかけなくなるから、子供は親の気を惹こうと悪さするもの』と話して聞かせるが、母親の興奮は収まらない。

すると今度はあるおじいさんが『じゃあ弘士はここで暮らせばいい。学校だってここから通えばいいじゃないか』と言い出した。別のお年寄りたちも口々に「小遣いは私が」「じゃあ私は洗濯を」などと話し始めた。

「但し1つだけ条件がある」と、最初に話し始めたおじいさん。弘士に向かって

「君の方からお母さんなんて要らないと言え」と迫る。

「いやだ・・要らなく・・なんかない。お母さんのこと、要らなくなんかない」
そう言ってひしと抱き合う母と息子・・。

いやはや、なかなか過激なジジババたちである(笑)。
でも、とにかくこうして弘士の家出騒ぎは収拾。

そんな間にも、麻利が連れてきた子犬はすっかり耕平に慣れ、耕平の方から名前をつけようと言い出し、自らアリスと名付けた(柴犬なのにアリス・・笑)。

それから2年の月日が流れた。麻利は地道に犬達の活動を続け、ある日いつものように動物保護センターでの子犬の譲渡会を手伝っていた。そこに、成犬を連れた男が現れ、誰かに貰って欲しいと言ってきた。職員の朝倉(平田満)がいくら規則(譲渡会には生後4ヶ月まで等)を説明しても、引っ越し先ではムリだからと言う男。

「規則ですから。こういう形で持ち込まれた犬は、翌日処分ということになります」

「何だよっそれっ。とにかく堅いこと言わないで頼むよぉ。可愛いでしょっ?可哀想だから絶対に処分しないでよっ。お願いっ」
そう言って、男は犬を置いてさっさと出て行ってしまった。仕方なく、朝倉が別の職員に犬を奥に連れて行くよう告げた時、車のエンジン音を聞いたその犬が追
いかけようと走り出す。
慌てて大きな鉄の門扉を閉める朝倉たち、犬は門の内側で悲しげに鳴き続ける。。





あの犬は捨てられたなんて夢にも思ってないだろう・・と思う麻利。そして、朝倉が決して犬達と目を合わせないのは、犬たちの運命を知っているからだと気づ
き、恐る恐る打ち明ける。『こういう仕事は犬が好きじゃないから出来るんだと誤解してた。でも本当はとても犬が好きなんじゃないのか?』と。

「・・・私のような者がいないと、行政は成り立ちません」

「あの・・さっきのような成犬でも救える方法は無いんでしょうか?規則があるのは分かってます。でも、例え成犬でも気に入った犬なら引き取ってくれる人が
いるんじゃないでしょうか?うちのディロンも・・。すみません。ただの犬好きの戯言ですよね・・」

その時、あの置き去りにされた犬がワンワンと鳴き始めた。そちらを見ながら、朝倉は背を向けたまま答える。

「例え飼い犬であっても、それまでの成育状況が分からない犬は社会復帰は難しいんです。・・・お気持ちは分かります。でも・・じゃあ全ての犬を救える方法がありますか?末端のその場限りの感情で、100のうち1匹2匹救えたところで、どうにもなることじゃないんです」

「でも100のうちの0と、100のうちの1か2ではその違いは大きいんじゃないでしょうか?・・すみません。。。事情も知らないで勝手なことを言って」

「・・・・僕、犬は好きですよ。。」
そう小さく呟き、朝倉は部屋を出て行った。
その帰り道、麻利はあの犬が置き去りにされた時の光景が頭から離れなかった。。

ディロンを定期検診に連れて行った麻利は、獣医の森山(関口知宏)から『訪問活動の認定試験を受けてみないか?』と勧められる。この2年間老人ホームなど
への訪問活動を続けてきたから受験資格はあるし、合格すれば病院のセラピー活動などにも参加できると言われた麻利は、受験することに。

試験の日がやってきた。
まず、病院などの訪問活動を想定し、様々な患者さんに対する適応姓を見る『現場対応テスト』。ディロンのような大型犬を怖がる人、大声の人、いろいろなタイプに扮したインストラクターたちを相手に、奮闘する麻利とディロン。

次は、飼い主と動物が人混みや公衆の場で適正な社会参加ができるかどうかを見る『社会化適応テスト』。
車椅子の人が横切ったり、いきなり物が大きな音で落ちてきたり・・それを何とかクリアしていったが、掃除人に扮した人が長い柄のモップを床に叩きつけるようにした時、麻利は思わずディロンを抱きしめてしまう。

「はいっ、そこまでっ。終わりです。残念ですねぇ」とインストラクターの声。。

その夜、結果を聞いた耕平は不思議そう。麻利は「それがね、問題があるのはディロンじゃなくて私の方だったの」と話す。ディロンは周りに何があっても動じないのに、飼い主の方が周りを警戒してナーバスになっていると言われたらしい。

インストラクターは犬より人を見る、らしい。人は「ちゃんとしなきゃ」っていう気持が強すぎて空回りして、また力んで・・の悪循環。
麻利はそんな自分だから、前の職場でも、姑の美佐江(池内淳子)ともうまく関係が築けなかったのでは・・と考える。そして以前、上司から「君は一見フレンドリーに見えるけど、人に対して何処か壁を作ってる」と言われたことを思い出す。。

そんなある日、保護センターの朝倉から直接連絡が入った。ある家に同行した麻利は、そこでハッピーという犬と出会う。
2週間前から空き家になってたその家に、置き去りにされて行ったハッピー。近隣住民から泣き声や悪臭などで苦情があり、朝倉が対応することになったのだった。「増えて来てるんです、こういうケース。この子は当然飼い主が帰ってくると信じてる・・」と辛そうな顔で話す朝倉。怯えて隅にうずくまっていたハッピーだったが、麻利が呼ぶと近づいてきた。

「成犬だから、本来ならこのままセンターに搬送して・・というのが決まりですが・・。ホントはダメなんですが、規則違反なんですが・・」と、しきりに繰り返す朝倉と共に、麻利はハッピーを関口の病院に連れて行った。

関口の見立てでは、大体2歳、健康状態は良好とのこと。関口は朝倉に向かってからかうように話しかけた。
「あれっ?朝倉さん、規則とは違うねぇ(笑)」

「あ、いや、その・・一応僕が個人的に貰い受けたものを、僕が個人的に差し上げるという形で・・」

「はいっ」とすかさず、調子を合わせる麻利。ニヤつく関口。。

結局、また麻利はハッピーを家に連れ帰る。ちょうどディロンとアリスを散歩に連れ出そうとしていた耕平と家の前で出くわすが、耕平はもうあまり驚かなかった・・(笑)。

大人になった犬が捨てられ、保健所が引き取った後に待っているのは。。。
そんな犬たちの命を何とか救いたい。気持を固めた麻利は、それから積極的に動き出す。『100のうち、1でも2でも・・』と始めた成犬の里親捜しは、少し
ずつ実を結び始める。
そして、再び訪問活動の認定試験を受け、今度は合格。早く耕平に知らせたくて家に飛んで帰ると、美佐江の家にいるから来てくれと連絡が入る。

何でも知り合いからたくさん食べ物を貰ってしまい、1人では食べきれないからと、美佐江から連絡があったらしい。でも、総菜を皿に盛りつけていた麻利は、袋の中にレシートがあることに気づく。
思った通り、それは美佐江が自分で買ってきたモノだった。全くもぉっ・・という顔を見せる耕平をなだめ3人で食卓を囲んだ帰り道、耕平は「いよいよアレなのかなぁ、少し惚けてきたのかなぁ・・」と呟く。

でも麻利は『いや違う。わざとだと思う』と話す。
ああいう状況でも作らない限り、一緒にご飯食べようって言えないんだよ。寂しいなんて言えないんだよ。お義母さん、昔小学校の先生だったから、ホントは子
供好きで、賑やかなのが好きなんだろうねぇ・・と話す麻利。

二人は複雑な思いで帰って行くが、その頃美佐江はヤカンを火にかけたまま眠ろうとしていた。。。〜次回へ。。。


何が『さくさくっ』なんでしょう・・また大嘘をついてしまいました。。

それにしても・・犬のことだけじゃなく、結構いろんなテーマが詰まってますね。
親にかまってもらえない子供、家や子供のことは妻に任せっきりの夫、一人は寂しいと素直に言えない姑、そんな姑に自分からは近づけない妻・・。
『家族なのに』か『家族だから』かは何とも言えないけど、今は本当に『家族』をするのが難しい。

そこに犬や猫がいると、自然に会話も増えて、ギスギスした関係も変わっていくことが多いから、今の『家族』にこそ動物たちと暮らして欲しいなぁと思ったりいたします。

あと、ちょっと気になるのは麻利の境遇かな。
彼女はナイーブだけど、見た目は割とおっとりとあっけらかんとしてる。家は庭付き一戸建てで経済的にも結構ゆとりがあるようだし、耕平も夫としてはかなり高得点。子供はいないけどその分ったっぷり時間があり好きなように動ける。

ちょっと恵まれすぎてて、『だから犬がどーのと言ってられるんじゃないの?』みたいな見られ方をしてしまうんじゃないかと、そこがちょっと気になります。

まだまだいろんな思いが渦巻いてるけど、ほっとくといつまででも書いてしまいそうなので(笑)。。。
posted by ちぃ@テレビ旬報 at 19:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ディロン運命の犬