テレビ番組 フジテレビ
テレビドラマレビュー:「大奥 第一章」
(出演/松下由樹、高島礼子、瀬戸朝香、西島秀俊、星野真里、木村多江、京野ことみ、野波麻帆、梶芽衣子、藤田まこと他)
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放送前期待度:★★★★
お、お帰りなさいませ、お局さまの、み、皆々様。。
うぅーん・・、このお顔ぶれを拝見しただけで、既にとっても恐ろしげで・・、ほんに楽しみ至極でございます。。
去年放送された前回では、幕末から明治にかけてのエピソードが中心でございましたが、今回は大奥誕生から始まる絢爛豪華な時代絵巻(とゆーより地獄絵巻かちらん、おほほほっ)。大奥創世にも深く関わり、同史上最強の女帝と呼ばれる春日局さまを中心に、物語は展開して参るのであります。この春日局をお演りになるのが、松下由樹姐とゆーのがまずっすんばらしくたのちみっ。最近はすっかり元気なガサツ系姉御のキャラが定着しちゃったけど、意地悪なお役もお上手な彼女、どーぞ思う存分暴れていただきとうございます。
そして、対抗馬の高島礼子&瀬戸朝香のお二人も、気の強いお役がぴったりこん。
もうどんな壮絶な火花がまき散らされるのか・・、今からワクワクいたします。
これもリメイクモノと言えばそうなのでありますが、昨年拝見した時は何とも新鮮でございましたの。時代劇だけど現代にも十分通じるドライブ感、それでいてこの女の牢獄で生きなければならなかった時代の惨さのよーなものも感じ、思わぬ「めっけもん」でありました。
8時台から10時台の枠に移動した分、「エグさ」にも拍車がかかってるかもしれませぬ。食わず嫌いの貴方も、是非一度はチェックしてみましょーね(ところで、岸田狐付き今日子様はまたナレーションをされるのかちら?ぜひ、そーしてくだちゃいねっ)。
(^^)/
公式サイト、ご開帳しております。サザンオールスターズの歌う主題歌も、不思議とこの世界にマッチしてて、さすがの桑田大先生なのであります。
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第1話
10月7日(木)オンエア分:★★★★
ずるっ・・ずる・・ずるずるずるぅっと引きずりこまれてしばったわ。。
まずは期待を裏切らない出来栄え、と申してもよろしいでしょう。歴史通の方から見れば、「はぁ?」とゆう点が無きしにもあらずではありましょうが、スーパー時代エンターテイメント劇としては・・・ほんに良うできておりまするる、るるぅっ。。。
時は・・徳川三代将軍・家光の時代。正室・孝子と閨(ねや→その・・早い話、ベッドね)を共にして14年になるというのにまだ子が出来ぬ家光殿は、側室も作らず、男女の営みにはとんと興味のないお方でございました。すべてはこの家光殿一人のために(ひいては将軍家のお種を絶やさぬために)仕える、大奥1000人の女たちにとっては『お世継ぎ誕生』のイベントがないのは寂しきことでございました。
この家光殿の乳母であり、今は大奥の女たちを統括する最高権力者・春日局様に興味を抱いた若き女中・お玉が、大奥の生き字引・朝比奈様にその生い立ちを問うところから物語は紐解かれていったのでございます。。
んじゃ、そのざざっとしたプロフィール。。
わたくし春日局は、かつてはおふくといい、美濃の山奥で夫・稲葉正成と3人の息子と暮らしておりましたとさ。でも、この正成がねー、すっごく横暴な亭主で、妾を家に2人も引っ張り込むし、そんな余裕もないのに勝手に客人を連れ帰ったりして苦労してたのっ。その日も、ダンナが狩りで知り合ったとかゆー男達を連れて来て、やれお酒だの女だの勝手なこと言い倒してたんだけど、その日の客人は実は強盗団。ダンナは縛り上げられちゃって、金品を探し回る男達から子供を守ろうとしたわたくしに、何とその男が欲情。で、わたくしそいつを刺し殺して、ついでに犯されそうなわたくしを「負け犬」呼ばわりして笑った妾も殺しちゃった。。そしたら正成から離縁されちゃって、まだ下の子は乳飲み子だというのに子供は置いていくよう言われ、着の身着のまま追い出されちゃったの。
そこから、わたくしの苦難の旅路がスタート。野宿しながら雨露をしのぎ、イヤでもわき出る母乳を絞っては川に捨て・・やっとの思いで京都の三条西家まで辿り着いて、とりあえず無理に頼み込んで置いてもらったの。
この三条西家は、わたくしが母上と逃亡生活を送ってた幼い頃に匿ってもらった公家のお宅。実は父上・斎藤利三は、本能寺の変で織田信長を討った明智光秀の重臣で、わたくしたちも逆賊の家族として追われ、めっちゃツライ日々を送ったの。。ぐすん。。とにかくそんな縁のある三条西家に、また一時身を寄せたけど「厄介者」扱いされてるし、とにかく早く働き口を見つけなきゃと焦ってたワケ。
で、将軍家で乳母を募集してるとゆー噂を聞いて、応募。面接の時に、離縁されてたこともバレてはいたけど、面接官の阿茶局さまが取り立ててくださって、何とかパス。そして江戸城へ移り、将軍・秀忠殿とその正室・お江与様とも対面。
このお江与様ともホントは仇関係にあるのだけど、そんなことより乳母としての存在がお気に召さないようだったわ。。
<お江与様のお気持ち>
こほんっ・・、わたくしが二代将軍秀忠の正室・お江与よっ。夫・秀忠はわたくしにぞっこんで、ベタベタやさしくしてくれるわ。。
でもっ、これまで産んだ3人の姫もすぐに他家に養女に出されて、一度も自分で子育てすることが出来なかったの。もちろんこの時代特有の政治的理由ってことは分かるわ・・、でも女なら苦しい思いをして産んだ我が子を自分で育ててみたいってのは理屈じゃないのよっ、分かるでしょ?
そして4度目の懐妊でも、またサッサとおふくとかゆー女が乳母として連れて来られて・・、きぃーっ、口惜しいわ悲しいわ情けないわっ。
おふく?確かに丈夫そうなデカイ女だけど・・とにかくわたくしは自分で育てたいのっ!
・・・そして、いよいよお江与様のご出産の時が参りました。そしてご誕生遊ばしたのは・・待ちに待った、そうお世継ぎとなられる男の子でございました。城内は喜びに包まれましたが、産んだ直後に一度も抱くこともなくそのまま乳母のおふくの元に赤ちゃんを連れて行かれたお江与様のお悲しみとお怒りは相当なもので。。
一方、生まれたての赤ちゃんにすぐにお乳をふくませたおふくは、久々に母としての喜びにひたり・・。かくして、お江与様とおふくの熾烈な全面戦争が始まることとなったのでございます。。
ふぅっ。。
時代劇はその背景がややこしいから、大変っ。でも、その事情が分かんないと理解しにくい面も多いから、しょーがないわね。。
でも・・ぐふふっ、このお江与様とおふくの闘い、相当すごそーであります。そのドロドロォっとした女のバトルももちろん見ものだけど、その裏側にはそれぞれが背負ってしまった運命もありーの、それ故の苦しみや哀しみもありーので、
見応えたっぷりっ。
岸田狐付き今日子様がお出になってないのはちょっと寂しいけど、前シリーズと同じ葛岡・吉野・大喰らい浦尾のトリオもご健在だったし、何とあの化けモン系将軍役だった北村一樹殿も盗賊役でご出演ってところにサービス精神を感じますですねー(北村殿はこれだけでは勿体ない気もするなあ。何せあの妖しさ、あのアブナさだもん・・)。
今後、おふくが育てた竹千代が後の将軍・家光となっていくわけですが、男色で女装マニアとしても名高い家光さまが、どんなヘンタイぶりを見せてくれるかもお楽しみで、ワクワクいたしておりまちゅ。。
(^^)/
サザンの主題歌タイトルは「愛と欲望の日々」。からみつくようなボーカルやメロディが、何故か大奥の世界にぴったりこんでございまする。。