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ヒビコレナレッジ

「ちゃんと生えますように・・の巻」

原作:山崎豊子×主演:唐沢寿明、話題の大作ドラマ「不毛地帯」が始まりまし
たね(毎週木夜10時〜、フジテレビ系)。このお二人と言うと、どうしてもあの
「白い巨塔」を思い出してしまい、今度はどんな人間の姿を見せてくださるのか
いやが上にも高まる期待・・楽しみに拝見してみました。
主人公は、元エリート軍人・壹岐正。戦後、ソ連軍に拘束され11年もの間シベ
リアでの過酷な強制労働を耐え抜き、帰国後は商社マンとしてビジネスの世界で
奮闘する姿を描くというもの。

ざっくりとした設定は知っていましたが、シベリア抑留のシーンが何ともいえず
重苦しい。物語上、避けては通れない部分ではありますし、ドラマと分かっては
いるのですが、気分が暗く重くなっていく一方。。物語が進むに連れ、だんだん
明るい兆しも出てきて、ちょっと救われた気分にもなってきましたが、それでも
どこかに残る、この何となく沈んだ感じは何でしょう?

これは多分、壹岐正が善人過ぎるから。いい人過ぎて、その・・人としての面白
味に欠けるのかなぁ・・と。ゴメンナサイ。スタート早々水を差すつもりはない
のですが、あのギラギラした欲望の塊みたいな財前五郎を思うと、どこまでも清
廉潔白な壹岐を見ていて「つまんないヤツ」と、つい思ってしまいました。
アクが強くて傲慢で、そこに「うえっ」と思いながらも、憎みきれない魅力があ
った五郎ちゃん。そんなところに惹かれて、白い巨塔を見続けた方は私だけでは
ないと思います。それはつまり、今の人間の感覚にも大いに通じるところがあっ
たから。お話も設定も当然異なる作品なのですが、私を含めそういうコッテリと
した人間像を期待していた方々にとっては、正直面白味に欠けたのではないかと。

敢えてこんなことを書いたのは、少しイメージがかぶる「官僚たちの夏」が今ひ
とつ支持されなかったから。あの作品もとても丁寧に作られていたと思うのです
が、立派な人達の姿を一方的に見せられているような、何だか教科書を読んでる
ような、そんな気分になりました。。
今、いろんなことが八方塞がりで、元気のないこの国。戦後を舞台にしたドラマ
が作られるのは、あの頃の日本人はこんなに頑張ったんだから、それを思い起こ
してもう一度頑張ろうよ、というエールも含まれているのかもしれません。でも、
今に通じるモノが無いと、醒めた人々の気持にはなかなか響かないのかも。。

でも、それもこれも大きな期待が故の取り越し苦労なのかもしれません。だって
何たって山崎作品ですから、そのうち正しく立派な壹岐に嫉妬する輩なんかも出
てきて、きっとドロドロした人間模様も深く描いてくださるでしょう。また、原
作には、他の小説に出てきた舞台や登場人物がそのまま出てくるんだとか。つま
り浪速大学とか、華麗なる一族の人々なんかも、もしかしたら?登場してくるか
もしれません。どうかドラマは不毛とはなりませんように。ちゃんと芽が出て、
うまく育ちますように。そんな思いで半年間見させていただこうと思っておりま
す。。


不毛地帯(第1巻)



●関連情報>>唐沢寿明




posted by 歴代テレビドラマレビュー at 21:57 | TV万有時報・倉庫

深夜食堂

テレビ万有時報vol.166
「色なき風の吹く食堂・・の巻」

うらぶれた新宿の片隅に、その食堂はある。営業時間は夜の12時から朝7時頃迄
で、左の額から頬にかけて傷痕のある、いわくありげなマスターがひとりでやっ
ている。メニューは豚汁定食600円とビール、お酒、焼酎のみ。その酒類もお
代わりは3回までと決まってる。但し、勝手に注文すれば出来るものは作って出
してくれる。その食堂の名前は「深夜食堂」(毎週水深夜24時34分〜、TBS系)。

最初タイトルを見た時はちょっと変わった料理番組かと思ったのですが、出演者
が小林薫さん。私の大好物な役者さんで「ゲストかな?」と勝手に思い込み拝見
したら・・・ドラマでした。それもちょっとした映画のような渋い作りで、始ま
ってすぐにずるずると引きずり込まれ、30分どっぷりとこの食堂に居着いてし
まいました。こんな感じ、久しぶりです。

まず冒頭から・・三日月がうっすらと光る夜の東京の街をバックに、物静かなギ
ターの音色、それに続く中年男のやるせないような歌声。。これ以上無い、って
いうぐらい、ひたすら物悲しくてうら寂しい(笑)。かと思ったら、使い込まれ
た打ち出しの鍋に豚肉や人参や牛蒡が入れられ、炒められ、煮込まれ、味噌が溶
かれていく。もう、この1〜2分で完全に捕まってしまいました。

私は存じ上げておりませんでしたが、原作は今も連載中の同名の漫画だそうです。
当然ながら原作は拝見したことはないのですが、さぞや雰囲気のある漫画だろう
と想像でき、こちらもぜひ見てみたくなりました。そんな気にさせるほど、独特
な空気が漂い、決しておしゃれではないけどココロがしんみりとして、笑いなが
らちょっと泣いてしまうような・・クセになる味わいなのです。
クセといえば、ここに来るお客さんたちもみんなワケありの一癖も二癖もあるよ
うな人達。惚れっぽいストリッパー、初老のゲイバーのママ、ヤクザ、ホスト、
売れない演歌歌手・・新宿の裏っぽい世界で生きてるような人達ばかり。刹那的
で自滅的で、でもそんな生き方をしてきた・してきてしまった自分を人のせいに
はしてないような、潔さも感じさせます。ダメ人間だけど、憎めない人々。。

秋っていうと、スポーツの、食欲の、行楽の等々、いろんな形容詞がつきます。
イメージ的には明るいものも多いのですが、個人的には秋はやっぱり切なくて、
寂しくて、人恋しいみたいな気分の方がぴったり来ます。
聞きかじりですが、中国の五行思想では秋は白とされ、色なき無色透明の季節。
そこから秋の風のことを”色なき風”と言うそうです。うるさいほど生い茂って
いた草木も枯れ、葉を落とし、空も透明感を増し高くなり、そこを色なき風が吹
き抜けてやがて来る冬を予感させる・・。

それはそれは寂しいです(苦笑)。でも、だからこそ着るモノにも食べるモノに
も暖かさが欲しくなり、人の温もりもまた恋しくなる。そんな季節には似合い過
ぎるくらいのドラマ、深夜食堂。秋の夜更けにひっそりと見て楽しみたいと思っ
てますが、飾り気のない料理がまたどれも美味しそう。何だかんだ言いながら、
やっぱり食欲の秋だったりして・・。



●関連情報>>小林薫 ドラマ




タグ:深夜食堂
posted by 歴代テレビドラマレビュー at 11:29 | TV万有時報・倉庫

ブラタモリ

テレビ万有時報vol.165
「今の気分は”お散歩”・・の巻」

古地図が大好きというタモリさんが、江戸や明治の古地図を見ながら東京をお散
歩するという番組「ブラタモリ」(毎週木後10時〜、NHK総合)が始まりました。
季節はちょうどお散歩にもってこいの秋だし、ナビゲーターは歴史にも地理にも
何かと造詣の深いタモリさんで、ファンでもあるあたくしとしてはこれは見逃せ
ませんっ(タイトルもいいなー♪)。

第1回目は、タモリさんが学生時代を過ごした早稲田界隈。早稲田大学の大隈講
堂あたりを歩いているとすぐに学生達に取り囲まれてしまうけど、早速大隈講堂
の高さの由来などを講義し始めるタモリ教授。でも「どうだっ、よく知ってるだ
ろ?エライだろ?」ってところは全然無く、「個人的興味で知ってるだけなんだ
けどさ」的な感じが、やっぱりいいですねー。
その後も普通なら見過ごしてしまいそうな建物や標識などを「おっ、これは」と
見つけては説明し、分からなければその近辺の人に尋ねたりして、臨機応変に肩
の力が抜けた雰囲気で番組は進行。それにスタッフが用意した古地図を見るため
のテーブル(アウトドアでよく使う、イスと一体になった持ち運びタイプ)を見
て「これさぁ、気に入ったところで広げて、お酒とか飲んでもいいの?」なんて
聞いちゃうのもタモリさんらしい。

そんなふうにゆるゆると、適度に知的好奇心も刺激されつつ拝見していたのです
が、神田川まで来たところで「あれ?これって何?今はいつ・・?」。
最初は”春はここは桜の名所なんですよ”という意味で、そんな映像を流したの
かと思ったらそうじゃなく、つまり桜の季節に録っていたのでした。

うーん・・これってどうなのかしらん???桜の風景はもちろんきれいだけど、
秋に始まるお散歩の番組。放送やスケジュールの都合で1〜2週間のタイムラグ
はあるとしても、まさか半年前のものとはねぇ。。正直、ここでちょっと興醒め
してしまいました。
それと、この際もうひとつ言っちゃうと町の知られざる秘密や意外な歴史っての
も面白いけど、そればっかりというのもちょっとツマラナイ。今の要素とかもも
う少し入れて欲しいし、できれば食べ物屋さんの情報もあった方が自然な気がし
ます。ことにタモリさんは食べ物にも詳しいので、そんなお話もぜひ聞いてみた
いです。何も「ぴったんこカン・カン」みたいに、四六時中食べろとは申しませ
ん(あれにはあれで「こんなに食べられるワケないのに」と呆れてますので。笑)。

町を歩き、いろんなものを見つけて、掘り下げたり楽しんだりする。そう難しい
ことでは無さそうな気がするんですが、そのテの番組はいっぱいあるのに、なか
なかピタッとくるものがありませんでした。だから初回はちょっとガッカリしち
ゃったけど「ブラタモリ」には期待してるんです。
それに景気もなかなか回復せず、贅沢な旅行やグルメってのにも惹かれない。こ
の気分、この季節、今はまさに”お散歩”気分。気負わずゆったりささやかに、
街歩きの楽しさを教えてくれるといいなぁ。

タモリ
タモリ


●関連情報>>タモリ


タグ:ブラタモリ
posted by 歴代テレビドラマレビュー at 00:36 | TV万有時報・倉庫